#毎日堂マーケティングラジオ Nexal上島さん回の記事バージョンです
ターゲットと売上だけ決まっていてその間がない
会社で事業計画は立てるのに、いざ戦略の話になると急にぼやける。そんな経験ってありますよね?
株式会社Nexalの上島千鶴さんに、大手のBtoB営業についてお聞きしました。直接お話するのは10年ぶりくらいでほんとあっという間です。上島さんはアクセス解析の生ログ世代からずっとこの業界を見てきた方で、最近「ザ・マーケティングイシュー」という本を11名の共著で出されています。BtoBマーケが成果を出しにくくなったという話をよく聞くので、その辺りをじっくりお聞きしました。
最初に引っかかったのが「事業戦略の解像度」という言葉です。どの会社も売上計画や中長期のロードマップは引くんですけど、じゃあ具体的に誰に対して、どんな課題を、なぜ自社で解決できるのか、というところになると急に曖昧になる。「製造業を攻めます。売上は何億です」までは決まっているのに、その先の解像度がぼやけている会社さんが多いそうです。
確かにターゲットと売上だけは決まっている、というのはよく聞きます。そこからどうアプローチするのか、どういう体制でやるのかを共通言語で話せている会社さんは少ないと上島さんは話してました。限られた人数と工数の中で何を優先するのか。そこが部署単位だと細かく決まっているのに、全体の方向性となると誰も握っていない。なんとなくぼやっとした行き先と、やたら細かい行き方だけがあって、その間がすっぽり抜けているんですよね。
面白かったのが、AIエージェントが出てきてから部署や職種の境界線がなくなってきている、という話でした。営業職という名前をやめようかと議論し始めた会社さんもあるそうで、組織そのものをどうするかというところまで進んでいる。解像度の話と地続きで、誰が何をやるのか、その境目自体が溶けてきています。
BtoBがうまくいかないのは努力不足じゃなくて構造の問題
今はWebのアクセスも集めにくいし、広告費も上がっているし、展示会も多すぎる。これって会社の努力でどうにかなるのか、市場全体がそうなっているのか。どっちで考えればいいんでしょうね?と聞いてみました。
上島さんの答えは構造的な外部環境が大きい、というものでした。お客さんの購買行動そのものが変わってきている。昔は調査して比較して意思決定して、という流れがあったのが、今はゼロクリックが始まっていて、読み物コンテンツの価値は下がっています。
ここが意外だったんですけど、製品ページや事例をしっかり作っている会社さんは、逆に問い合わせが増えているそうです。アクセスを見ると途中のページを見ることなくダイレクトに製品ページに入ってきて、そのまま問い合わせや資料ダウンロードに進む。今までなかった行動パターンが出てきている。比較検討フェーズを飛ばして、AIと対話した時点でベンダーを何社かピックアップしてしまっているんですね。
だから自分たちが悪いというより、お客さんの動きがどう変わったかをもう一回見直してみる。読み物を量産するより本業のところをちゃんと作る。そっちのほうが効いてくる、という話でした。
AIが探しに来るウェブに作り変えないといけない
もう一つ印象に残ったのが人が探しに来るウェブと、AIが探しに来るウェブは別物だ、という指摘です。
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