「GA4プロパティ一括作成ツール」について開発者の杉浦さんにお話をお聞きしました。
きっかけはこのポスト
プロパティの作成って面倒ですし、漏れやすいのでどうにかしたいというニーズがある一方で、頻発しないのでなんとなく手動でやってしまうんですよね。それを一括で作成するツールが出た!ということでかなり気になります。
杉浦さんのプロフィール
杉浦義宏(すぎうら よしひろ)
デジタルアナリスト兼データエンジニア
ニュージーランドを拠点に、GA4やCRMデータを活用したECサイトのデータ分析を手がける。日本、欧州、オセアニアの100以上のサイトでGA4の導入・設計・分析を支援し、データドリブンなマーケティングの最適化をサポート。クライアントのビジネス課題をデータの力で解決し、成長を加速させるための支援を行っている。
Webサイト:https://pep4.net
Xアカウント:https://x.com/Ricardinho
データ分析に携わるようになったきっかけ
——現在の仕事を始めた経緯を教えてください。
杉浦:もともとWeb制作やマーケティングに関心がありました。特にECサイトや会員サイトの運営において、データを活用することで施策の精度が上がると感じ、より深く分析の分野に関わるようになりました。
初めはアクセス解析のサポートを行っていましたが、クライアントと関わるうちに「施策の効果をより正確に測りたい」「データをビジネスにもっと活用したい」というニーズがあることを実感しました。そこで、データウェアハウスの構築やCRMとの連携といったより高度な分析の領域にも踏み込んでいったのが現在の仕事の始まりです。
また、ニュージーランドで働くようになったことも大きな転機でした。現地の企業では、データドリブンな意思決定が一般的であり、日本とは異なるアプローチを学ぶ機会に恵まれました。海外のビジネス環境の中で、GA4やCRMを活用したデータ分析の重要性を再認識し、より多くの企業がデータを活用できるよう支援したいと考えるようになりました。
GA4プロパティ一括作成ツールの開発背景
——GA4プロパティ一括作成ツールを開発した理由を教えてください。
杉浦:2022年に海外の航空会社のGA4移行を担当した際、国ごとにアクセス権を分ける必要がありました。しかし、GA4にはUA(ユニバーサルアナリティクス)の「ビュー」に相当する機能がなく、国ごとにプロパティを作成する必要がありました。その数は20にも及び、さらに同時期に40サイトのGA4導入案件も進めていました。
手作業では膨大な時間がかかり、ミスのリスクも高いため、「もっと効率的に設定できる方法はないか?」と考えたのが開発のきっかけです。
——開発で苦労した点はありましたか?
杉浦:最も苦労したのは、GA4のAPIドキュメントが限られていたことです。正しいデータの送信フォーマットが分からず、試行錯誤の連続でした。特に、Google Apps Script(GAS)で実装する際に多くの壁にぶつかりました。
ChatGPTやGeminiを活用しても明確な答えが得られないことが多く、最終的にはPythonを使ってデータの構造を解析し、それをGASに落とし込む形で解決しました。
このツールが役立つシーンとは
——このツールをどんな人に使ってほしいですか?
杉浦:このツールは特に以下のような方々に役立ちます。
・GA4プロパティを複数作成する必要がある企業・担当者
GA4の設定を手作業で行うと時間がかかるため、大量のプロパティを一括で作成したい方に最適です。
・Web制作会社や広告代理店など、複数のクライアントのGA4設定を管理している方
クライアントごとに異なる設定を行う必要がある場合、一括作成機能により業務の効率化が可能になります。
・GA4の設定に慣れていない方
GA4の管理画面は設定項目が多く、どこをどう設定すればよいのか分かりにくいことがあります。このツールを活用すれば、設定ミスを防ぎつつスムーズに導入できます。
・社内のGA4設定を標準化し、ミスを防ぎたい企業
複数の担当者がGA4の設定を行う場合、ツールを使用することで統一された設定を維持できます。
・GA4の設定履歴をドキュメント化し、後から確認したい方
GA4の管理画面では過去の設定変更履歴を確認しづらいため、ツールで一括管理することで可視化が容易になります。特に、GA4の導入や設定作業を効率化したい方にとっては、大幅な時間短縮につながるため、大きなメリットがあります。
マニュアル、サポート、注意点
——マニュアルやサポート体制について教えて下さい
杉浦:マニュアルはこちらです。
アカウントやプロパティなどが消えることはありませんが、不具合等が見つかりましたら対応いたしますので、サイトかX経由でDMいただけますと助かります。
今後のアップデート予定あり
——現状でも便利そうですが、今後のアップデート予定はありますか?
杉浦:今後のアップデートとして、優先度が高いものとしては、GA4の設定状況をGoogleシートに出力する同期機能の追加を予定しています。加えて、チャネルグループの設定も導入予定ですが、現在UIの調整を進めている段階です。さらに、GTMのアカウントやコンテナの作成、タグ設定をGoogleシートで管理できる機能の開発も進行中です。
杉浦さんよりひとこと
——杉浦さんからひとことあればお願いします。
杉浦:これまで、主にご紹介を通じてECサイトや会員サイトのデータ活用支援を行ってきましたが、より多くの企業にデータ活用の可能性を広げる機会を作りたいと考え、今回新規募集を行うことにしました。
GA4のデータを取得しているものの、CRMや売上データと連携できていない。
データを活かしてサイト改善や売上向上につなげたいが、予算の制約があり、できることから中長期計画で進めていきたい。
社員が少なく、企画・設計から実装までを社内で対応する余裕がない。
こうした課題を抱えるECサイト運営者向けに、実践的なデータ分析と具体的な改善策の提案を行っています。
今回の募集を通じて、データを売上向上に活かしたいと考えている企業様との新たなご縁が生まれればと思っています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
運営堂よりひとこと
このツールを知って、なんで毎回管理画面から設定していたんだろう?と思ったわけです。自分でもチェックリストを作って、何回か目視確認して、それでも漏れててあとから設定しなおす…。
今後新規で設定することがあれば使ってみようと思います。
GA4に変なアップデートが入って使えなくなることがありませんように!
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